津軽民謡~十三の砂山~
津軽三味線をされている方ならご存じと思いますが
津軽半島北西海岸に「十三」(じゅうさん)という場所があります。
そこは北前船往来が盛んだったころ、繁栄していた港でした。
今は港はなく、海水と川水が混ざり合った汽水湖「十三湖」があります。
シジミの名産地として有名です。
スーパーで「青森産」と書かれたシジミを見ると
「あぁ、十三湖から来たのかな…」なんて思いながら、
頭の中で津軽民謡(十三地域の盆踊り唄)
「十三の砂山」が流れてきます♪
この「十三の砂山」ですが、(とさのすなやま)と読みます。
地名は「十三」(じゅうさん)なのに、民謡は「十三」(とさ)と言う。
なぜ!?
元々は(とさ)と言われていたけれど
高知の「とさ」と紛らわしいから(じゅうさん)というようになったのかねぇ、
なんて
昔聞いたのを「へ~」と思っていましたが
どうやら違うみたいです(^^;)
十三を(とさ)というのは古称で(じゅうさん)となったのは
津軽氏五大藩主、信寿公が1700年元禄十三年に
土佐守に任ぜられたことへの配慮のようです。
私も、まだまだ勉強不足です(ーー;)
「十三の砂山」の歌詞は
「十三の砂山 米ならよかろ 西の弁財衆にゃ ただ積ましょ」
意味は
「十三を埋め尽くした砂山がお米ならどれほどよいことか。
もしお米であったならば、西国からくる弁財船の船頭衆に
代金なしでいくらでも積ませてあげるものを」
「弁財船」とは、北前船のことだそうです(北ではこう呼ばれていたらしい)
昔は十三に着岸してお米を積んでいたのが
津波や洪水などにより、
港が砂山にふさがれて、できなくなったことを嘆いてうたわれた、
と言われたり
亡くなった方の霊を慰める鎮魂歌としてうたわれた、と言われています。
津軽三味線、津軽民謡というと
激しく、勢いのあるイメージがあると思いますが
この曲はしっとり,哀愁溢れる曲です。
私の三味線教室(和心)では
2重奏でよく合奏します。
少しずつ、動画も載せていきたいと思います(^^)